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種類の同定

ウグイ属 3種



ウグイ エゾウグイ ジュウサンウグイ

ウグイ エゾウグイ ジュウサンウグイ
Tribolodon hakonensis Tribolodon sachalinensis Tribolodon brandtii brandtii
・臀鰭がやや湾入 ・臀鰭がほぼ直線的 ・臀鰭がやや直線的
・吻があまり突出しない ・吻が突出する ・吻がやや下向きに突出する
・金属光沢がある ・金属光沢が薄い ・金属光沢がやや薄い
・中流~下流、沿岸に生息 ・上流~中流に生息 ・河口~沿岸に生息
・通し回遊型と陸封型 ・純淡水魚 ・両側回遊魚
・側線鱗数68~84 ・側線鱗数73~81 ・側線鱗数78~98
・背鰭前方鱗数が37以下 ・背鰭前方鱗数が38以上 ・背鰭前方鱗数が40以上



ウグイ エゾウグイ ジュウサンウグイ


ウグイ エゾウグイ ジュウサンウグイ
金属光沢があり、鱗が大きく見える 金属光沢が薄く、臀鰭が直線的 吻が突出し、鱗が細かく見える
婚姻色は3本の朱色の縦帯が現れる 婚姻色は最も地味で頭部に限られる 婚姻色は腹部に1本朱色の縦帯が現れる



道内のウグイ属3種は幼魚期を除き外見的特徴で容易に判別する事が可能だ。
最も明瞭な違いが現れるのは婚姻色だろう。ウグイ属には雌雄ともに同様の婚姻色が現れる。

ウグイの婚姻色が最も鮮やかで、体側に3本の朱色の縦帯が現れる。しかしウグイの婚姻色にはいくつかのバリエーションがある為、必ずしも同じパターンの婚姻色が現れるとは限らない。

エゾウグイが最も婚姻色が薄く、赤色部が頭部を除きほとんど発現しない。ウグイと違い吻が突出するが、メスの方が著しく突出する。

ジュウサンウグイは腹部に1本の朱色の縦帯が入り、体側部の模様は明瞭な縦帯にならず、体側から背部全体が黒くなる。


また、生活史も異なり、エゾウグイが一生を淡水域で過ごす純淡水魚なのに対し、ジュウサンウグイは遡河回遊型が知られている。ウグイが回遊型と陸封型の両方が知られている。
海水域で見られるものはウグイもしくはジュウサンウグイ、堰堤等の遡上障害のある河川上流部に見られるものはウグイもしくはエゾウグイと考えて問題ないだろう。

3種の中でウグイが最も金属光沢があり、全身が銀白色に輝いている。エゾウグイの金属光沢は薄く、鱗が汚い印象を受ける。ジュウサンウグイの金属光沢はやや薄く、全身が白色に近い色合いである。鱗も3種の中で最も細かい。


慣れれば顔つきや体色で判別する事が可能だろう。さらに正確な同定には 背鰭前方鱗数(頭部から背鰭付け根までの鱗の数)を数えるのが良いだろう。
背鰭前方鱗数が37以下でウグイ、38以上でエゾウグイ、40以上でジュウサンウグイとなる。
ただし40枚以上の場合はエゾウグイとジュウサンウグイ両種の可能性が考えられる為、やはり総合的な判断が必要になるだろう。






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